第18回 Red Hat Innovation Awardsの受賞者を発表

Red Hat は2006年よりRed Hat Innovation Awardsを通じて、創造的な問題解決力でビジネスの世界や社会にポジティブな影響を与えている世界中のRed Hatのお客様の技術的功績を称えています。今年の受賞者は、Banco da Amazonia、Eusko Jaularitzaren Informatika Elkartea (EJIE)、Informationstechnikzentrum Bund (Capgemini)、Transpower New Zealandです。

コミュニティのオンライン投票プロセスにより、どのお客様が「2024 Red Hat Innovator of the Year」に選ばれるかを決定します。投票は現在受け付けており、締め切りは5月2日午前9時（米国東部時間）です。受賞者は2024年5月7日のRed Hat Summitで発表されます。2024年 Red Hat Innovator of the Year への投票は、www.redhat.com/en/success-stories/innovation-awardにアクセスしてください。

それでは、今年の受賞者を詳しく見ていきましょう。

Banco da Amazonia

Banco da Amazônia S.A.は、ブラジル連邦政府が（株式の95％）管理するOpen Capital Society（サンパウロ証券・商品・先物取引所にて、ティッカーBAZA3で取引）です。同銀行は、ブラジルの国土の半分以上を占めるアマゾン地域における北部地域開発・融資のための憲法基金（Constitutional Fund for the North Region Development and Financing）の管理・運用を担っています。BASA Digital は、Red Hat OpenShiftとRed Hat Ansible Automation Platformにより、与信承認プロセスを大幅に簡素化し、自動化、俊敏化を実現するとともに、アクセスが困難な地域の農村部生産者のアクセスも可能になりました。

これにより、処理時間が180日から24時間に短縮され、Banco da Amazoniaの信用調査担当者や顧客の金融サービスへのアクセスが向上し、社会的包摂と地域開発が促進されました。BASA Digitalでは、契約資金が370.4％増加し、農村部の生産者にメリットをもたらしています。Red Hatのテクノロジーは、セキュリティ強化、信頼性向上、イノベーションの促進により、この変革に重要な役割を果たしました。Banco da Amazônia S.A.は現在、BASA Digitalのプロジェクトをグリーンエネルギーや森林再生などの分野に拡大する予定で、BASA Digitalの本拠地であるベレンで開催された国連のCOP30会議を受け、アマゾン地域へのさらなる投資を支援する計画です。また、Red Hat製品の導入を拡大し、すべてのレガシープラットフォームをコンテナ化環境に取り込み、クラウドに移行するための強固な基盤を構築する予定です。

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Eusko Jaurlaritzaren Informatika Elkartea (EJIE)

バスク地方の公共サービスのデジタル化を担うEJIEは、バスク語の言語ツールを作成する必要がありました。そして、コンピューティング能力、ポータビリティ、スケーラビリティを向上させたITインフラストラクチャを開発するために、Red Hatのハイブリッドクラウドテクノロジーを選びました。Red Hat Enterprise Linuxは、より柔軟で信頼性の高いオペレーティングシステム基盤をトランスレーターに提供し、Red Hat OpenShiftは、グラフィックスプロセッシングユニット（GPU）を搭載したコンテナのサポートなど、AIのライフサイクルを支えるために必要な機能の多くを提供しました。 EJIEは、開発チームに自律性や、生産チームと統合するためのツールを提供することで、DevOps手法を推進することに成功し、プロジェクト指向ではなく製品指向のアプローチを実現しました。

技術的アーキテクチャを確立した後、EJIEはBasque Network of Science, Technology and Innovation（RVCTI）の一部であるVicomtechと協力して、学習アルゴリズムを最適化し、様々なアプリケーションと連動するためのRest APIを構築しました。2019年の登場以来、携帯電話向けアプリケーション「Itzuli」は、市民がバスク語をスペイン語、フランス語、英語に翻訳するのに役立っています。Itzuliのダウンロード数は10万回を超え、毎日3万人以上のユーザーに利用されており、ピーク時には1日で26万件以上のクエリがあります。

バスク政府独自のITインフラストラクチャに導入されているRed Hat OpenShiftにより、EJIEはAI機能を強化することが可能になり、現在はItzuliを使って司法手続きの自動トランスクリプションを作成するパイロットプロジェクトに取り組んでいます。ニューラルネットワークは、バスクの公共テレビ（EITB）と12の司法機関の議事録を使用してトレーニングを行っています。

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Informationstechnikzentrum Bund (Capgemini)

グローバルなビジネス変革およびテクノロジー変革のパートナーであるCapgeminiは、ドイツ連邦情報技術センター（ITZBund）と共同で、厳格なセキュリティ基準を満たすため、エアギャップ環境におけるRed Hat OpenShift Container Platformのデプロイを自動化するプロジェクトを開始しました。その目的は、政府サービスのデジタル化に向けたソフトウェア開発の合理化です。Red Hat Dev Spaces を使用することで、ソフトウェア開発者は OpenShift クラスター上で迅速に作業し、アプリケーションをデプロイできるようになり、ドイツ国家のデジタル化に大きく貢献しています。これにより、個々のラップトップのセットアップの必要性がなくなり、オンボーディング時間が短縮され、AI開発のためのコンピューティングパワーも強化されました。このプロジェクトでは、開発ワークスペースの標準化、数千人の開発者のための拡張、データセキュリティ規制の遵守を実現し、AIとMLのワークロードを有効にします。

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Transpower New Zealand

Transpowerは、発電事業者、利用者、配電網を結ぶニュージーランドの国営電力網運用会社です。同社の複数年にわたる近代化プログラムでは、Market Systemのアップデート、使用済み製品の置き換え、ビジネスロジックの簡素化、新機能の導入が行われました。このプログラムは、レジリエンスが高く、柔軟で、コスト効率の良いシステムを維持することを目的としていました。Red Hat Fuse、Red Hat Enterprise Linux、Red Hat OpenShift、Apache Kafka 用ストリームなどの Red Hat ソリューションが、この過程において極めて重要な役割を果たしました。モダナイズされたMarket Systemにより、複雑さとコストが低減され、信頼性が向上し、リアルタイムの価格設定が可能になりました。また、このプロジェクトにより、新しいシステムを構築する場合と比較して、約5,000万ニュージーランドドルを節約することができました。Red Hat のテクノロジーへの投資により、標準化、自動化、イノベーションが促進され、人材の獲得と維持、共同開発と DevOps の実践が可能になりました。また、電化に向けた取り組みや エネルギー情勢の変化への適応もサポートしました。

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特別賞

欧州、中東、アフリカ地域、ラテンアメリカ、アジア太平洋地域における、今年の特別賞も称えたいと思います。欧州、中東、アフリカ地域では、Lloyds Banking Group、Saudi Aramco、Dublin Airport Authority の 3 社が、Red Hat テクノロジーを活用した革新的な取り組みで特別賞を受賞しました。ラテンアメリカでは、Banco Santander と JUFEJUS の 2 社がその功績を認められました。

Red Hat は毎年、Red Hat APAC Innovation Awardsを開催し、創造的な思考、断固とした問題解決力、Red Hat ソリューションの革新的な活用を実証したアジア太平洋地域のお客様の技術的功績を称えています。今年は13か国にまたがり、デジタルトランスフォーメーション、ハイブリッドクラウドインフラストラクチャ、クラウドネイティブ開発、自動化、レジリエンスなどのカテゴリーで、多くの企業がAPAC Innovation Awardsを受賞しています。